BARを開業する際にこれだけは守ったこと

副業や定年後にBARをやってみたいな、、、。

そんな方へ

24年前にBARを開業し10年以上安定経営をしてきたコツをお伝えします。参考になれば嬉しいです。

私は1999年の11月に縁もゆかりもない場所でいきなりBARを開業しました。

31歳で独立した訳ですが、カクテルコンペに出場した経験も無いしお酒の知識もそこまで深いわけでも無い平均以下のへなちょこバーテンダー。

そんなへなちょこでも後輩にお店を譲るまでの約12年、順調にBARを営んで来れました。

今、振り返ってみるとBARを開業してからずっと意識してきたことがあったなと思ったので今回はそれを伝えたいと思います。

目次

ひとつづつ説明すると

初期投資は最小限

バーテンダーという職業はだいたい総じて給料は安くて、中々正社員として受け入れるお店も少ない。

なので収入は少ないし、それに輪をかけて若いうちは遊びにお金を使ってしまうので貯金なんか出来ません。

かくいう私も31歳の独立開業時の財産といえば手元に現金50万円、それと当時乗っていたスズキのエブリィのみ。

とにかく開業資金が必要なので愛車のエブリィを売って現金60万円を工面し手元の50万円と合わせると110万円。

普通で考えたらこんな資金では開業なんか到底不可能でしたが、まずお店の大家さんに交渉して敷金や保証金はほぼゼロにしてもらいました。

そんなこと出来るわけないやんと思われるかもですが意外と不可能でも無いです。

さすがにゼロは無理だとしても敷金や保証金は交渉次第で極端に下がることが良くあります。

お店の内装は以前喫茶店をやっていた物件を選んだので改装費は20万円ほどで済みました。

あとは提供するお酒など仕入れは、最初オープン時にはウイスキーをはじめカクテルに使うお酒をたった10本のみ購入。

オープン初日は仕入れた10本と知人からお祝いでもらった3本のウイスキーをバックバーに並べてスタートしました。BARなのにお酒の棚はスカスカ。

開業資金は100万に満たない数十万円ということになります。

よくメディアやウェブサイトでBARの開業資金は数百万はかかると言ってますがお店選びと交渉、やり方次第で100万有れば開業出来る。というか出来ました。

固定費は抑える

固定費も初期投資と同様に極力抑えました。

毎月の家賃は大家さんに頼み込んで最初の1年は2割引きにしてもらい人件費は私ひとり。

開業するBARでは調理はほとんどやらないので私一人でお店を切り盛りして行けば良く毎月のランニングコスト固定費もしっかり抑えることを意識したんです。

お客様は選り好みする

えっ?!って思われるかもですがBARという空間を作るにあたって最も重要なのがお客様を選り好みすることだと思っています。

好き嫌いという事ではなくて来られた方がお店の雰囲気に馴染める方かどうか。

私にとってBARというのはひとりでゆっくりお酒を楽しめる空間なのでその空気に馴染んで頂ける方のコミュニティなのでそれがわかってくれる方じゃなければ居心地が悪くなってしまう、そんな雰囲気を意識してつくりました。

結果、この雰囲気が10年以上常連様や初見様が通ってくれてお店が安定経営出来たんだと思います。

昼間は営業

これは、銀座や新地のお姉さんのビジネスモデルをしっかりパクりました。

私はもともと朝方の生活スタイルが合っていたので朝は9時くらいに起きて日中は出来るだけ常連様とコミュニケーションを取りました。

ランチしたり、時には旅行に行ったりね。

このように常連様とはお店だけではなく昼間もコンタクトして何年もお付き合いできる関係を保ってました。

こうすることで毎日最低でも安定した売り上げは確保できて安定経営につながるんです。

でもぶっちゃけると、実は私自身がお客様と遊ぶのが大好きなんですよね。

キャラを売る

BARというお店は

・専門知識を売る(ウイスキーとかワインの深い知識)

・技術を売る(カクテルコンペで優勝したりする技術力)

・キャラを売る(バーテンダーその人に話しに来る)

この三つのタイプがあると思ってます。

専門知識を売るBARはお店に1000本以上のお酒が並んでいたり、技術を売るBARは季節のフルーツやスタンダードなカクテルを自在に作れる技術が有ったりするのですが私はどちらのタイプにもなれません。

というわけで私のお店は自分自身を売ることにしたんです。

一杯のハイボールを飲みながらカウンター越しに私と話しに来てくれる。

そんなお客様を増やすことにしたんです。

初期投資とランニングコストを意識してお金の出所を絞り、安心して飲める空間、お客様との距離を縮めて自分が売りモノ。

この5つを常に出来るだけ意識して劇的に儲からずともコツコツ利益の積みあがる安定経営が出来たんだと思います。